2016年09月02日

映画を観てきた

すんごい久しぶりに映画館へ行ったのだが、前回は何時何を観たのかさえすぐには思い出せず調べて
みたら丁度15年ぶりだったというね。その時は何を観たかというと「ファイナルファンタジー」
だった。デートの口実だったのだが、目当ての「千と千尋の神隠し」(うる覚え)が長蛇の列でねえ。
所詮口実でしかなかったから二人してうんざりしてしまって、同時上映だったFFでお茶を濁したのよ。
見終わった後二人して首を傾げつつ「なんかよくわかんないお話だったね」「列に並んででもあっちに
しとけば良かったね」と苦笑いしてたっけなあ。

んで昨日「シン・ゴジラ」を観てきた。毎月1日は映画の日で格安だったので。公開から約1ヶ月経っ
てる上に夏休み終わった直後の平日だからかガラガラだった。


 
以下はネタバレを含む感想や憶測であって、批評や分析の類ではアリマセン。

何でこれを観に行ったかというと、初めてのマトモそうなゴジラ続編のような気がしたから。何を持っ
てマトモとみなしているかというと、従来はゴジラが着ぐるみで等身大にしか見えずそのせいで精巧に
作られたセットもミニチュアにしか見えない、とか屋内撮影マル判りなライティングとカメラアングルの
せいで怪獣の巨大感ゼロ、何時まで経っても子供だましなレベルを延々再生産してただけだったからね。
シンゴジはそれらが屋外ロケとCGの合成になって、カメラアングルの屋内撮影感が無くなったから。

肝心のゴジラという存在自体がファンタジーなせいで、どう頑張ってもそれに引き摺られて全体がやや
CGっぽく見えてしまうが、これはもうどうしようもないのだろうな。庵野監督が「先入観抜きで観て
欲しい」と言ってて、公開前の情報制限も相まって世間じゃネタバレ抜きで見て欲しかったのだろうと
いう解釈が大勢を占めてるっぽいが、「CG合成だという先入観も抜きで」という要望も含まれている
ような気がする。

もっとも、仮にそうだったとしても上陸した第二形態の異様なチャチさでリアル感なぞ完全に吹き飛ぶ。
他の監督作品だったら、もっとマシなものにするはずが予算や期間や技量の不足でこうなってしまった
のだろうとゲスパーするんだけれども、あの庵野監督+東宝の本気度からしてそれは考え難い。この部
分は瓦礫や車両が押し寄せたりするが、極め付けなのがゴジラが去った後のカット。


「『シン・ゴジラ』予告」より引用

津波や火山噴火のオマージュとしてリアルにゴジラ被害を表現しようとしたらこうならざるを得ないが、
東日本大震災の記憶覚めやらぬ日本でこれをまともに表現したら洒落にならんからなあ。なのでぬいぐ
るみ感満点なビジュアルにパペット感炸裂な過剰な動きをワザとさせて、あえて一旦観客の気持ちを突
き放したかったのかな。本作のウリの一つに「庵野ファンは随所でクスリとできる」というようなのが
あったけれども、自分は庵野ファンではないがこのシーンで「ヤマタノオロチの逆襲」の安っぽさを連
想して爆笑するのをぐっと堪えた。ゴジラ以外はきっちりリアルに表現しつつ、被災体験者への無用な
刺激を最小限に抑えようとするための方便なのかもね、件のウリは。

しかし、DAICON FILMの作品群を見た事がある者なら笑って済ましてくれるかもしれないが、そうで
ない者が観たら第二形態登場でドッチラケるんじゃないのかねえ。

全体的に、ゴジラ抜きにしたビジュアル表現はトレーラーから期待できる通り概ね満足できる内容だっ
た。実写部分も、邦画にありがちな「くどい発色・低いコントラスト」ではなく、自然な表現だったし。
俺、邦画の何が嫌いって無駄にやたらと光を廻して影が台無し発色優先で全体がのっぺりしがちなトコ
なのよ。明確な演出意図が在ってきちんと機能させてるんじゃなくてのべつくまなしだもんな。その点
本作はドキュメンタリー寄りの画作りだったから苛々せず安心して観れた。唯一不満だったのは、ゴジ
ラに向かうヘリ部隊を後ろからカメラが追従しているカット。


「『シン・ゴジラ』予告2」より引用

これ、恐らくは観客の視線を手前のヘリに誘導したかったんだろうが、その為か被写界深度が下がって
て、カメラがいかにもCGカメラ臭いのも相まってミニチュア感がハンパ無い。これだけデカくヘリが
横切るんだから被写界深度を下げなくても視線はヘリに向かうだろうに。ここはぐっと堪えて全焦点で
表現して欲しかったなあ。その上カメラから遠い先行機はともかく、手前の機体はエンジンから出る排
気熱が全く表現されてないので違和感ありまくり
だし。ヘリは他のカットもCG臭さが払拭できてなかっ
たな。陸上兵器やF2はさほど違和感無かったから、白組はヘリが苦手なのかね? 他が概ね良い感じ
な分、ヘリのCG臭さが目立って勿体無い。

全体的には意外と?奇を衒わず素直に画作りしてるって印象。終盤のヤシオリ作戦実行時はちょっと
庵野監督の化けの皮が剥がれたというか正体が見えかけちゃった感が無きにしもあらずだが、許容の範
囲なのではなかろうか。

ストーリーに関しては、娯楽作品として成立するように構築してみました以上。であって予想通り中身
は無かった。なので「ごっこ」としてやる掘り下げはまあ各自好きに楽しめば良いんでないかい、とは
思うが真剣にやったら知能を疑われかねない。自衛隊が前面に出てくるからイデオロギー絡みの批判が
出るのは避けられないが、本作をイデオロギーベースで批判するなんて左右問わず頭が逝かれてるとし
か思えんな。左右どちらもおちょくった愛国戦隊大日本のダイニッポン・ロボの中の人が監督をやって
るの知らないか忘れてるのかねえ。

自衛隊といえば枝野元官房長官がシンゴジへの防衛出動否定で物議を醸してたが、こんなの必要に迫ら
れて張った予防線でしかないだろう。被害状況のイメージベースとなったであろう東日本大震災時に政
府のスポークスマンであったし、取材協力に名前が出ちゃってる立場なのだから。間抜けというか馬鹿
丸出しにしか見えないのが石破元防衛大臣の同様な発言。枝野氏と違い予防線を張る動機も必要も無い
のに首を突っ込んで炎上してるし。もうね、シンゴジ絡み以外で漏れ伝わってくる諸々の逸話と相まっ
て、無能な働き者を体現してるとしか見えんのよね。なんでこんなのを担ぐ勢力がいるのか不思議で
しょうがないが、重そうな外見と違って軽くて担ぎやすいのかねえ。

本作鑑賞前に見ちゃった諸々の評判であまり良く言われてなかった米国大統領特使役の石原さとみ、
実際に観た印象は言われるほど悪くはなかった。確かにキツくて鼻持ちならない不快な女として演じて
いるが、この役で象徴される米国の本作での扱いが「傲慢かつ強引で恩着せがましくて偽善的」な存在
なのだから、まあまあ好演してるんでないの。ちょっと演技がオーバーというかデフォルメ強すぎる
気はするが。惜しむらくは米語ネイティブでしかありえない役どころを非ネイティブな石原さとみが
演じる違和感かな。石原さとみ自体は頑張ってると思うんだけれどもこればっかりは努力だけでは越え
られないからなあ。

上記のとおり本作の米国はウザイ国扱いなのだけれども、どうせ庵野監督の事だから、「国家としての
米国がウザイのは単に機械的な事実」ぐらいの認識なんじゃないかな。バランスを取りたかったのか、
ヤシオリ作戦実行時に「被爆の危険性があるにも拘らず米軍は積極的に参加協力してくれる」的な描写
があったし。

目に付いたのはこんなところか。意外だったのはもう少しシリアス寄りなのかと思ってたらそれはゴジ
ラ以外の映像だけで、ノリ自体は「帰ってきたウルトラマン」と同程度のパロディーベースなギャグ作
品だった事かな。随所に鏤められた庵野節というかDAICON FILM的要素や演出のせいで笑いを堪える
のが大変だったもの。逆に言えばDAICON FILM等の予備知識無しで観たら、何だこれはと怒り出す人
が居るかもしんまい。

とまあこんな感想を持った。上記の予備知識が無いと演出意図不明でワケワカメになりかねなくて人を
選ぶ作品なんで、態々映画館行ってマトモに1800円払って観る価値が在るのかどうかは微妙な気がす
る。どうせ庵野監督作品は中身無いんだから(第二〜三形態を除いた)ゴジラのリアルなCG映像を堪能
しよう、と割り切れれば料金に見合う価値は在るんじゃないかな多分。俺は価値を見出せたし楽しめた。

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ゴジラはね、本当は個人的事情で映画館では観たくなかったのよ。

突発性難聴で左耳がほぼ聞こえないのだが、サラウンドが掛かっている音声だと台詞が何を言っている
のか認識し難くてね。家のハイビジョンTVにはヤマハのサラウンドプロセッサが繋がっているのだが、
プリセットのシアターモードだと台詞が環境音や効果音に溶けてぼやけて非常に聞き取り難くなる。
なので家で観るときはサラウンドオフにするのだが、今時の劇場はサラウンドがデフォなはず。
その上シンゴジは官僚や政治家のやり取りが早口だとの触れ込みだったからなお更聞き取り難いと予想
してたし、複数の人物が同時に喋り捲るようなシーンが有ったらほぼ聞き取れないと危惧してた。

実際にはサラウンドが掛かっているかどうか方耳では判らない程度にクリアーだったのと、事前に言及
されてた早口もさほどではなかった。複数の台詞が同時に発せられる事も無かったし、懸念は杞憂で
終わったよ。

それよりも事前に予想してた尿意切迫問題の方が深刻だった。若い頃から頻尿の気があったのだけれど
も、年食ったら悪化しててね・・・。ヤシオリ作戦のあたりで尿意をもよおしてきてさ・・・。幸い、
終わったらダッシュでトイレに駆け込まざるを得ない程には切迫しなかったけれども。

デジタル投影で観る映像の解像感がびっくりする程「高くない」のが意外だったなあ。なんせこれを
書いてるパソコンのモニターで観るFull-HDのシンゴジ予告編と印象に差が無いんだもの。
自分が観に行ったユナイテッド・シネマではソニー社製SXRDプロジェクターとNEC社製DLPプロジェ
クターを採用してそうなのだが、SXRDは4k解像度に対してDLPは4k or 2k。自分が観たスクリーンの
プロジェクターがどれなのかは判らないが、もしかしたら2k DLPだったのかも。んで白スクリーンに
投影するプロジェクターの原理で避けられない漆黒が表現しきれない問題もあって、あまり有り難味を
感じられなかった。

結局、画質的にも見た目の迫力からしても、自宅の32型TV液晶どころか24型PCモニターと比べ
てもアドバンテージを見出せない上、上映の都合に諸々合わせなければならないとか音量を自分好みに
設定できない(シンゴジ観た時はやや大きめで、少し下げて欲しくなった)問題もあって、映画観に映画
館へ行くメリットは個人的にはもはや見出せない。強いて言うなら異性をデートに誘う口実にするくら
いかねえ。
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posted by きゅーり at 16:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記
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